ノロウイルスが流行して自分の子どもが感染してしまった場合、主な症状としては下痢や嘔吐です。自宅での感染拡大を防ぐためには家庭での対処が重要になってきます。嘔吐により洗濯物をどう洗えばよいのか、洗濯機で洗えないものはどうすればよいのか。今回はその2つの疑問点を解決したいと思います。
ノロウイルスのついた洗濯物の対処とわけて洗うべき期間は?
ノロウイルスはとても強い感染力をもっているので注意が必要です。
ノロウイルスに感染したときの主な症状は腹痛や下痢、嘔吐、吐き気があります。
そのため、胃をひっくり返すような強烈な嘔吐や吐き気が突然起こったとき嘔吐物を受け取るモノが間に合わず、服や布団などを汚してしまう場合があると思います。
感染した人の嘔吐物や排泄物の汚物には大量にノロウイルスが含まれている場合があります。
強い感染力を持つノロウイルスは洗濯機で洗っただけでは死滅しません。
感染拡大を防ぐために大事になる大きなポイントが『素早く適切に処理を行う』『乾燥させない』『消毒する』の3つです。
このことをふまえて正しい洗濯方法をご紹介します。
まずは汚物処理の際に気をつけることがあります。
使い捨ての手袋、エプロン、マスク、靴カバーなどの防護具を着用する。
そして、処理を行う人以外は近づかない。
十分に換気を行い、効果的な殺菌剤を使用する。
ウイルスは広く飛散するため、広範囲の壁や床を洗浄する必要がある。
処理後は必ず、手洗いうがいを2度ずつ行う。
まずは汚物の除去です。消毒剤を浸したペーパータオルなどで拭き取ります。
拭き取る際はウイルスが飛散しないよう優しく取り、ビニール袋に入れた後はきつく結んで密閉させてください。
バケツなどに水を汲んでおき、汚れた衣類を静かに持ち水洗いします。
ウイルスを吸い込んだり、しぶきが飛ばないように注意しましょう。
その後、次亜塩素酸ナトリウムが成分の塩素系消毒剤(200ppm以上)で消毒します。
漂白成分が衣類の色落ちなど起こしてしまう場合もありますので使用上の注意をご確認ください。
浸透時間は200ppmで5分間、1000ppmで1分間行うことでノロウイルスを死滅させることができます。
洗濯物の消毒が終わったら十分にすすぎましょう。
最後に使ったバケツや洗った場所も200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム消毒液で消毒を行います。
これが汚物によるだいたいの洗濯の流れになります。
今出てきた消毒液の「ppm」ですがどのくらいの濃度なのかよく分かりませんよね。
洗濯しないといけないときに濃度の計算なんていちいちしていられません。
市販のつけ置き用のキッチンハイターやハイターが塩素濃度6%ですので300倍に薄めたモノより濃ければ大丈夫です。
濃度200ppmの場合、
『原液濃度6%だったら、3ℓの水に10㎖加える』
『原液濃度5%だったら、2.5ℓの水に10㎖加える』
濃度1000ppmの場合、
『原液濃度6%だったら、3ℓの水に50㎖加える』
『原液濃度5%だったら、2.5ℓの水に50㎖加える』
と言うことになります。
漂白が出来ない衣類の場合は85度以上のお湯で1分以上加熱が条件ですが、念のために30分くらい浸しておきましょう。
ノロウイルスの症状は3日程度で改善しますが体に残っているウイルスの感染力は変わりません。
その為、念を入れて症状が治まって2週間は注意が必要かと思います。
ノロウイルスの嘔吐で洗えない布団などの消毒、対応方法は?
先ほどと同じく、まずは汚物を除去します。
布団などは水洗い出来ないので、次亜塩素酸水をスプレーしてウイルスが飛散しないように注意しましょう。
除去した部分に水をスプレーしてアイロンを使って消毒を行います。
アイロンを少し浮かせた状態で1カ所につき2分以上スチームを当てます。
高熱で生地が傷んだり焦げないよう注意しながら作業してください。
まとめ
嘔吐物や排泄物の後始末には感染力の強いウイルスが潜伏しているため、念には念を入れて消毒する事が最も大事になります。
そのときに重要なポイントは『素早く適切に処理を行う』『乾燥させない』『消毒する』の3つです。
そして作業を行う場合は換気をしっかり行い使った場所や道具の消毒、終わった後のうがい手洗いを入念に行う事で二次感染を防ぐ事が出来ます。
どんなに急いでいても、ウイルスを飛散させないように洗濯するモノを丁寧に優しく扱う事を忘れないでくださいね。